【C1XG ビデオウォークマン化!】

 

R60&C1XGの組み合わせでは、‘ビデオウォークマン’と言う贅沢な使い方ができます。Rシリーズの

‘GigaPocket’を使ってTV放送やビデオテープの映像をMPEG録画し、それをC1側に転送してお外で

再生するんですね。大まかな手順は以下のとおりです。

1.R60で映像をMPEG録画(GigaPocket)
2.必要に応じてファイル変換
3.C1XGにファイル転送(SmartConnect)
4.C1XGで再生(PicoPlayer)

では、手順ごとに検討してみましょう。

なお、ここでは1時間程度のTV地上波放送を録画する事を前提としています。特に指定のない場合は

全てこのタイプの映像ですので、よろしくお願いいたします。加えて、‘地上波1時間’の放送は実質50〜

55分程度の番組と考えられますので(番組中のCMは含む、終了後のCMは含まない)、MPEGファイルの

実質再生時間もこれに従う形となります。さらに、私のR60ではアップグレードキットを使用(2001.3 現在

VCLではリモコン無しモデルか購入できません)して GigaPocket Ver3.0 を使用しています。

条件として、R60・C1XG共に通常使用している常駐ソフト(ウィルス関連)等の環境は変えていません。

要するに通常使用時でのテストを意図しているということです。

 

1.R60で映像をMPEG録画(GigaPocket)

これ自体は簡単です。ただし、ここでファイルサイズと画質はトレードオフ関係にありますので、どの画質が

ベターなのかを検討する必要があります。GigaPocket で録画できるMPEGファイルの種類は‘高画質’・

‘標準’・‘ビデオCD互換’の3種類です。詳細は以下のとおりです。

録画
タイプ
ファイル
サイズ
映像
サイズ
画質(R60での再生、個人的な感想)
高画質 約3.3GB
MPEG2
720X480 まあ何とか見られるレベル。一度見て削除するならこれで十分。
S−VHSの3倍モードくらいかな。
ちょっと保存用には向かないかも・・・
標準 約1.5GB
MPEG2
480X480 お世辞にもきれいとは・・・ 通常VHSの3倍モードと良い勝負。
元の映像サイズが大きい為、全画面表示ではややマシだが、
通常使用でもあまり使いたくない画質。
ビデオCD
互換
約570MB
MPEG1
352X240 かなり汚いが、再生サイズを変更しなければ我慢できる
レベル。全画面表示ではかなりつらいものがある。通常VHSの
3倍モードと比べても劣る感じ。

どうも画質がイマイチです。現在の‘第二世代’MPEGボードならもう少し改善されているかもしれませんが、

現状ではこれが精一杯です。回避策として、一度S−VHSテープなどに録画〜R60のS入力端子から

インプット〜 GigaPocket録画という方法を取ると、画質の向上が図れるようです。

ただ、ここではどのタイプが良いかを決定する事はできません。というのも、下記の転送速度やC1側での

再生状況にも影響されますので、総合的に判断する必要があるからですね。

 

2.必要に応じてファイル変換

上記のように録画したMPEGファイルですが、場合によってはその形式を変換する必要があります。

もちろん好き勝手には変換できません。可能なのは

‘高画質’→‘ビデオCD互換’
‘標準’ → ‘ビデオCD互換'

のいずれかになります。同様にAVIファイルへの書き出しも可能なんですが、今回はぜーんぜん関係ない

ので割愛します(やった事もないですし・・・)。方法としては、ギガポケファイルを‘書き出し’する際に

‘変換する’というオプションを選べますので、作業的には迷う事はないはずです。

参考までに、変換に要する時間はおおよそ以下のとおりです。

元タイプ 元ファイルサイズ ビデオCD互換への変換時間 無変換時の書き出し時間
高画質 約3.3GB 約60分 約5分
標準 約1.6GB 約45分 約2分30秒
ビデオCD 約570MB 約50秒

なお、ここでの変換はR60内部の別ドライブへ‘書き出し’したときの時間です。無変換時の数値はほぼ

ファイル容量と比例していますね。

もうひとつ、これは変換ではないのですが、‘MPEG1/2同時録画プラグイン’という手段もあります。珍しく

無償でここからダウンロードできます(カスタマーIDが必要です)。正式サポート外ですけどね。

ただ、このプラグイン、‘プラグイン’とは名ばかりで、実際は常駐ソフトです。加えて、ギガポケの録画

終了後もダラダラと変換をし続けるシロモノです。これって‘同時’でしょうか?まあそれは良いとして、非常

にCPUに負担がかかりそうですよね。アイデアとしては面白いんですが、上記の変換にかかる手間と比較

した場合、ちょっとリスクの方が大きい気がします。録画中に落ちないとも限らないですし、録画終了後の

変換作業中に次の録画予約時間が来たらどうなるんでしょうねえ・・・ 恐ろしいのでやってませんが。

 

3.C1XGにファイル転送(SmartConnect)

ご存知の方も多いと思いますが、 SmartConnect の転送速度は、スペック的には400Mbpsです。

まあ、これはあくまでも理論値ですので、実際にはそうは行きません。じゃあ実際には・・・!?

以下の表はR60のビデオエクスプローラーから SmartConnect 接続したC1XGにファイルを直接

‘書き出し’した際の所用時間です。

元タイプ C1への書き出し時間
(ビデオCD変換)
C1への書き出し時間
(変換無し)
R60HDD内に変換無しで書き出し後
各ファイルをC1にコピーした際の時間
高画質 転送不可(容量不足?) 約20分 転送不可(パラメータエラー)
標準 転送不可(容量不足?) 約12分 約25分
ビデオCD 約4分 約8分

SmartConnect の転送速度は、CPUの負荷によって変動するようですが、前述のように特に常駐ソフト

などは停止していない状態での数値です。なお、‘書き出し’は PicoPlayer を添付しない状態で行なって

います。なぜかファイルコピーより‘書き出し’の方が圧倒的に早いんですよね・・・? 原因不明です。

なお、C1XGへ‘ビデオCD互換への変換をしながらの書き出し’は何故か出来ませんでした。容量不足

のため実行できない旨のエラーなんですが、C1側の容量は十二分に空いているんですが・・・

ひょっとしたらいつものように‘仕様’でネットワークドライブへの‘変換書き出し’は出来ないのかも

しれませんねえ。

高画質ファイルのコピーはC1側に限らずR60内でも不可です。これは Windows のファイル容量の制限に

引っかかっているんでしょう(ちょっとあやふや)。MPEG部分だけで3GBオーバーですからね。

 

4.C1XGで再生(PicoPlayer)

では、転送したギガポケファイルを再生してみましょう。私のC1XGには PicoPlayer Premium Ver.4.0 を

既にインストール済です。これは何かのアップグレードキットを購入したときに一緒に購入したもので、VCL

で1500円で購入できる‘PCQ−PP1UG’を使用しています。安かったんで買っちゃたんですよねえ・・・

‘可能になる事’としてVCL曰く、

ハードディスクに取り込んだMPEG2形式のビデオカプセルの再生
(再生できるのはGiga Pocket Ver.4.0で書き出したビデオカプセルのみです。
それ以外の
MPEG2ファイルは再生できません。)

とのことです。が、私の GigaPocket Ver3.0 で録画したMPEG2も問題なく再生できています。さすがに

ネットワークドライブにあるファイルの再生機能は使えませんけどね。

なお、再生中は以下のキー操作が便利です。

矢印キー‘上下’=ボリュームの上下
矢印キー‘左右’=各30秒間分の前後サーチ(2回押すと1分間のCMを飛ばせます)

ここで、再生時に気になる事と言えばまずバッテリーです。詳しくはバッテリーデータのページを参照して

いただくとして、標準のSバッテリ(劣化100%)でおおよそ以下のような持ちになります。

再生
タイプ
連続再生
可能時間
その他
高画質 40分程度 明らかにCPUフル稼動でかなり辛そう。時にコマ落ちやブロックノイズも
発生。フリーズこそしないが、別の作業はほとんど不可能と考えて良い。     
標準 45分程度 ブロックノイズ・コマ落ちは無し。画質は良好だが、他の作業の同時進行は
厳しい(マウスかカーソルの動きがかなり緩慢になってしまう)。
バッテリを気にせず、再生だけに特化すればこれがベスト。
ビデオCD 60分程度 他に作業をしても問題なし、C1のディスプレイなら画質も十分見られる
レベル。バッテリの持ちもよくなるので、総合的には一番お薦め。      
  

次にLCD輝度ですが、私は主に電車内での使用ですので、‘5’に設定しています。1番暗い‘1’では

日中ではかなり目を凝らさないと見えません。ちょっと常用には・・・ なお、日光が入るとまず完全に見え

ません。これは輝度‘9’でも同じです。上手くポジション取りをして、日光を背にしないようにする努力が

必要ですね。ちなみに上記再生時間も輝度‘5’での数値です。

C1ではなく、C2だったらこの心配は不要かもしれませんね。PCG−C2GPSは屋外使用を前提に設計

されており、反射型ポリシリコン液晶ディスプレイなんていうモノを装備していましたからね。電源OFF時

の液晶の色がぜんぜん違うし(なんか神々しく見える・・・)。しかもつい最近までカタログ上は‘生産終了’に

なっていなかったというツワモノです。もちろん新品が売られているところこそ見かけませんが、中古屋さん

を探せば160K円程度で入手できるはずです。今更ながらカタログ落ちしたと言う事は、まさか新C2か?

あれ、C3かな・・・?

最後に、電車内で再生するときはヘッドフォン等が必須です。最近では電車内でPCを使っていても

珍しがられる事こそ少なくなってきましたが、人様の迷惑にならないようにはしましょうね (^_^;)

 

で、最終的に私の場合、R60での録画は‘標準’で行い、C1XGへはバッテリの状況を考慮してVCD

変換後に転送or‘標準’のまま転送かを決定することにしました。録画を‘標準’で行う理由としては、R60

側で再生する可能性があることが挙げられます。C1への転送の判断は、例えばSバッテリ1本だけで

1時間モノを再生したい時などはVCDでないと再生しきれないですが、予備バッテリやACアダプタを使用

出来るのであれば標準のままの方が高画質が得られる上、VCDへの変換の手間も省けますよね。

このように条件によって使い分けることにしています。

ただ、‘高画質’だけはお薦めできません。C1側のHDD容量・R60からの転送速度・C1での再生状況等

を考慮すると、全く良いところがありません。と言うよりはC1側が高画質のメリットを受け止めきれていない

んですね。逆にデメリットばかりが目立ってしまいます。

Rシリーズ(他にもギガポケ搭載機が増えていますので、R以外でもOKでしょう)&C1シリーズ(こちらも

持ち運べるノートのモデルならOKですよね、XRはちょっと重いかなあ)をお持ちのみなさん、密かに結構

快適ですよ。‘ビデオウォークマン’はとってもお薦めです!!