【R60 パワーアップ編11】


パワーアップと書いていますが、今回はパワーアップではないんです。まあ、改造には代わりありませんけどね。電源FANを交換するんですが、実は1月の終わり頃、突然FANの回転が落ちたりする症状がR60に現れたのです。純正のFANコントロールはもとより、SpeedFANなどのフリーソフトも使っていないのでソフト的にそんなことが発生することはあり得ません。まあ、SpeenFANこそたまに起動したりはしていましたが、常駐させてないですからねぇ。
で、いつものようにチャットルームでそんな話をしたところ、どうやら『FANのベアリングあたりが逝きそうになっている』らしいことが発覚しました。放っておくと
FANが逝ってしまう&電源そのものに負担が掛かり、R60がご臨終・・・ってなことになってしまうらしいので、急遽FANそのものを交換することにしてみました。1月のよもやま日記にもちらっとそんな話を書いたんですが・・・ 遂に禁断の電源BOXに手を入れますぅ・・・ そうそう、チャット常連の皆様、ご指導感謝ですぅm(_ _)m


1.FANを選ぶ&探す  (2002.02.03 記載)

では、取り急ぎFANを選びます。今回は時間がなかったので、あまり静穏化などは考えていませんでした。コレに関してはShunさんのサイト「Customize info」さんに詳しい解説が出ていますので、「FANがうるさくて夜も眠れん!!」という方には特に参考になると思います。Rシリーズに物理的にフィットするFANの情報もありましたので、思いっきり参考にさせていただきましたm(_ _)m で、今回用意しなければならないものは、「9cm角」もしくは「9.2cm角」で厚みが「22mm〜25mm」の電源(ケース)FAN、ということになります。同時に、電源を供給するピンに、3pinのものと4pinのモノがあるようです。前者は、R60に積むためにケーブルの加工が必要になり、後者は(通常のHDDなどの12V電源です)スタンバイ時にもFANが回り続けてしまうそうです。この点も頭に入れておきましょう。そこで現物を選びに行くんですが・・・ 9cmFANは現在ではあまり見かけないんですよね。店頭を見た感じでは8cmが主流で、6cmなんてのも結構あります。が、9cmなんて探さないと無い〜
で、やっと見つけたのがArvel製のクーリングファン「DPF-309」 定価2,500円也。某量販店で1,200円位だったかな。一応「ボールベアリング仕様」&「静音仕様採用」なので、静かになったら儲けモノ位のつもりで・・・ 今回は背に腹は代えられない状態ですからねぇ(^^;)

3pinもののケーブル加工についてBBSで話題になりましたので加筆しておきます。
「純正FANは通常の3pinセンサー付きFANとピンの配置が違っているので、これらを入れ替える必要がある」ということで、
純正FANは「黒・青・白」
通常FANは「黄・黒・赤」
と3pinが並んでいるそうです。黄・黒のpin入れ替えを行えば動作するようです。ご質問&フォローありがとうございますm(__)m (2003.08.26加筆)


2.R60の電源を分解する  (2002.02.06 記載)

では、早速作業に入ります。筐体の分解は普通にメモリやCPUを交換するときと同じなので、電源BOXを外したところからスタートします。なお、今回は相手が電源BOXですので、電源コードを外してからある程度時間をおいて、ヘンに電気が残っていない状態になってから作業をすることにします。感電もイヤですし、変なところに過電圧が掛かったりしてR60を絶命させてしまったりしてもイヤですからねぇ(^^;)

電源BOXを筐体から外すと、黄色いシールが貼ってある側の4隅にネジが
あるのでコレを外します。このネジはBOX内の基盤も貫通する形で
止まっているせいか、異常に堅いことがあるので要注意です。
‘み’の場合はそのうちの2本が特にガチガチでした。
ネジ山をつぶさないように・・・

なお、これらのネジを外す前にM/Bに接続されている電源ケーブルを外した方がいいと思います。作業性などが格段に違うはずです。‘み’はの場合は無理矢理増設した3rdHDDの下側にコネクタが来てしまっていて、簡単には外せそうもなかったので繋がったまま作業しましたが (^^;)

本体後部に向いている部分は3箇所がネジ止めされています。
コレも外します。これらのネジは電源BOX本体と、それを覆うカウルの
ようなパーツ(以下外部カウルと勝手に書きます)を接続しています。
上に書いた4本のネジはこのカウルパーツには関係していないので
順番はどちらでもOKです。
外部カウルはこんな風に外れます。
写真手前側(電源BOXの電源ケーブル接続側)に引き抜く感じです。
この外部カウルと筐体がネジ止めされて、電源BOXが固定されていた
のが分かりますね。
外部カウルを外すと、こんな風(通常状態での下側)に
1本だけネジが現れます。
コレも外さなければなりません。
そうすると・・・
コの字形の内部ケースパーツ(勝手に内部カウルと・・・以下略)が外れ、
いよいよ基盤部分にアプローチ出来ます。内部カウルを外すには、
赤矢印の方向にスライドさせる感じになります。
ちなみに内部カウルは最初に外した4本ネジと、今回の1本ネジの
計5本で固定されています。

ここから先は完全に基盤が剥き出しになります。強度(構造)的にも明らかに弱くなりますので、作業(特に堅いネジを締めたり緩めたり)には十分注意をしてください。無論静電気も御法度ですね。なお、この点から考えると、内部カウルを外す前にもっとネジを外しておくべきでした・・・ その理由は後ほど・・・

基盤剥き出しの電源BOXです。
この写真では左側が排気部(本体後面)になります。
黒いデカイのが電源FANですね。
中央に白いコネクタ(3pin)がありますので、
コレを赤矢印の方向へ引き抜いてやります。
こんな感じです。それほど堅くもないので、
まっすぐゆっくり引っ張ってやれば簡単に外れると思います。
なお、コレが基盤とFANを接続し、電源供給や回転数の
情報伝達を行っています・・・ 多分・・・
 ・・・決してコードを掴んで引っこ抜いたりしないように!!
で、ここで電源BOXを裏返すと・・・ 当たり前ですがFANそのものを
固定するネジが4本・・・ コレを外してやらないとFANは交換出来ません(^^;)
内部カウルを外す前にこのネジ4本を
外しておいた方が良いです!!

ちなみに後2本あるネジはトランス(? 2枚上の写真の左端にある黄色い箱
のようなもの)を固定するフレームパーツを止めています。
コレは外さなくても何とかなります。
白いコネクタ(3pin)を外した側からではトランス(?)が邪魔になって
ネジを外しても電源FANを抜き出せませんが、反対の側面からなら
何とか(ちょっとキツイですが)抜き出せます。

コレでRシリーズの泣き所である電源BOXの分解と、電源FANの抜き取りが成功しました。思っていたよりも簡単だったのと、ネジが堅いところがあったのが印象的ですね。


3.FANを交換する  (2002.02.09 記載)

さて、純正FANはこれで取り外せましたので、いよいよ購入してきたFANを装着します。

取り出したFANと抜け殻になった電源BOX。
こうしてみても9cm角というのはかなりの大きさですね。
写真ではわかりにくいかもしれませんが、FANそのものは酷くホコリ
まみれです。もちろん電源BOX内部も・・・(^^;)
この機会に簡単にでもホコリを払っておきましょうね〜
Arvel製のクーリングファン「DPF-309」を横に置いて撮影しました。
当たり前ですがFAN自体は殆ど同じに見えますね。
でも、今ではM/Bすら色が付いていたりするのに、なんでFANったら
黒ばっかりなんでしょうねぇ。
VAIOカラーのFANなんてあっても良さそうなんですけどね(^^;)
‘み’が知らないだけかな・・・!?

ここで、新しく購入したFANを今までの純正FANの場所に装着してやります。まあ、無いと思いますが、裏返しにだけはしないようにしましょうね。Rシリーズの筐体はこの電源FANがCPU周りの熱を排気する構造(R60純正CPUのCele466はFANレスで、ヒートシンクのみ)になっていますので、逆に送風すると電源部の熱が筐体内部に送り込まれる形となり、きっと熱暴走してくれると思います(^^;) まあ、CPUの発熱量次第で問題がないかも知れませんが、この手の人柱はイヤですねぇ・・・
ネジ止めなどはFANを取り外したときと全く同じ(手順としては完全に逆ですけどね)行程になりますので、問題はなさそうです。ただ、今回は電源接続が4pinのFANを用意していますので、ここは少々違ってきます。 

左下の銀の箱が電源BOX。中央の4pinコネクタ2つが「DPF-309」
の電源供給用コネクタ。黄色い矢印を書き込んであるんですが、
その線がFAN本体へ繋がっています。

「4pin接続」は簡単に言うと、「HDD等に接続する通常の12V電源ケーブルからFAN用の電源を供給する」というだけのことです。写真にあるようにちゃんとオスメスの各4pinプラグがFANから延びていますので、適当なところ(M/Bとストレージデバイスなどの間)に割り込ませてやれば良いんです。まあ、元々プラグが余っていればそのまま接続するだけですけどね。市販の「電源分岐ケーブル」の一端がFANに繋がっていると思えば良いと思います。当然ですが、純正FANが刺さっていた電源BOX内の3pinプラグは空いたままになります。後はバラしたときと逆の行程を踏み、R60を組み上げてやればFANの交換作業は終了です。相変わらず(最初に外した)基盤まで貫通するネジにはきついモノが多いので要注意ですね。


4.低温?低音?  (2002.02.15 記載)

さて、交換したFANですが、実際に使ってみるとどうなんでしょう。肝心なのは「温度をちゃんと下げられているか」「静になったか」の2つの『ていおん』ですね。まあ、温度の方はまず大丈夫だと思いますけどね。特に回転を落としたとか、小型化したとか、そう言う類のことはしてないですしね。

今回もIDEスマートケーブルを試した前回同様
『Speed Fan』のモニタリング画面で見て
みました。
条件はこれまた前回同様で『3〜4時間ネット
に繋いでWEBを彷徨った後。特にCPUに
高負荷を掛けるような作業はなし』というもの
です。
殆ど差はないようですね。実際にPCの裏側に
手を回してみても以前同様にやや暖かい空気が
排出されているようです。

最後に「音」ですが、コレはもう主観の問題ですね。純正FANと比べて音が小さくなったのは間違いないんです・・・ ただ、際立って静になったということでもないです。うーん、言葉で説明すると、以前より音自体は確実に小さくなっています。常用こそしていませんでしたが、『Speed Fan』でFANの回転数を意図的にコントロールしたときの音と比べると、大体60〜70%程度の大きさの音と良い勝負です。 が、FANの音そのものがやや高くなったことと、もともと筐体内部に無理矢理押し込んだ3rdHDD用のFANの音が逆に目立つようになったことが相まって、殆ど静になったようには感じられないのが現状です(^^;) 最初から期待はしていなかったんですが、もう少しは行けると思ってたんですけどねぇ・・・ 熱に問題が無いようなので、3rdHDD用のFAN止めようかなあ・・・ なんて思い始めています〜
ま、本来の目的であるR60の延命が図れましたので、今回は良しとしましょう!