【R60 パワーアップ編 13】
今回は遂にRシリーズの心臓部、MPEGボードに手を付けます。コレにより、Gigaの録画ファイルの画質アップを図ることが大きな目的です。なお、同時に録画ファイルをDVD-Videoのソースとして再エンコードなしで使用出来るようにもしてしまおうという、一石二鳥を狙う魂胆です。まあ、前者は検討&検証できますが、後者はまだ‘み’のR60がDVD-Videoを焼ける環境にないため、いずれその環境をGETしてからのお楽しみということになります(^^;) こちらについては、追々「Road to DVD!」にアップしていきたいと思いますぅ
1.SAKURA&YUZU (2002.03.28 記載)
Rシリーズ以降に搭載されているボードは、大きく分けて2種類あります。通称「SAKURA」と呼ばれている第一世代のMPEGボード「ENX-11」と、通称YUZUと呼ばれている第二世代MPEGボード「ENX-13」「ENX-17」です。
SAKURAはR○2までに搭載されており、YUZUはR○3から現行RXにまで搭載されています。なお、「ENX-13」「ENX-17」は性能的には大きな差はないようです。SAKURAはといえば、以前Win2000に非対応でGigaPocket3.0のアップグレードキット内のドライバではスタンバイ(場合によってはシャットダウンも!!)できないというイワク付きの代物だったのです・・・ が、このサイトの「Road to 2000」にもあるように、2001年夏のアンサポートドライバ登場によって、まあWin2000でも使用出来るレベルにはなりました。YUZUの方は当然当初からWin2000に対応していたんですけどねぇ(^^;)
このWin2000対応状況に加えて、両者が機能的に大きく違うのは、YUZUで録画したファイルは圧倒的に画質が良いことです。これは後にこのページで(静止画ですけどね)検証しますが、店頭のデモ機などをいじる感じでは「目からウロコ」状態です。加えて、上にも書きましたが、YUZUの録画ファイルはDVD-Videoのソースとしてそのまま使用出来るらしいのです。将来的に取り貯めた映像を生かすことを考えると、結構重要な課題になります。まあ、時間をかけて再エンコードしてやれば解決するんですけどね(^^;) ついでに、これはソフトウェアのGigaPocket側の問題かも知れませんが、標準録画した場合の画像のサイズが、SAKURAでは480X480(だったと思います)の正方形になっちゃいます。YUZUでの標準録画は画像サイズが720x480で高画質録画と同様の3:2になります。この場合、ビットレートが標準=4Mbs、高画質=8Mbpsとなります。当たり前ですが、元々の入力ソース(TV放送やビデオなど)に正方形のモノなど無いですからねぇ Giga以外に映像をはき出そうとすると、コレも結構なネックになりますね。で、これらの違いから、YUZUをGETしてR60のSAKURAと交換することにします。
最後に余談ですが、SAKURAって『さくら』としか読めませんよね。YUZUは『ゆーずー』だと思っていたんですが、そのままローマ字読みをすれば『ゆず』ですよね。ってことは・・・ RXS70!?以降に搭載されるであろう新型ボードは・・・ ENX-19:通称SUIKA!? まさかねえ(^^;) 脱線してしまいました・・・忘れてください〜
2.YUZUをGETしよう (2002.04.05 記載)
さて、そのYUZUですが、勿論店頭で購入など出来ません。VCLで取り寄せなんて論外でしょうねぇ と、いうわけで例によってオークションでGETします。最近は結構出品が多く、その分単価もやや下がっているようです。もともとが正規商品ではないですから、付属品(GigaPocetのソフト、接続用のケーブル、アナログDVサブボード、リモコンと受光部、その他ソフト・・・)で結構値段が違いますので注意が必要です。逆に言うと必要に応じて選択出来るってことですね。ちなみに、GigaPocket4.0のソフトはUPGRADEAREAで購入(3800円)出来ますので、無理して落札しなくても問題はないと思います。なお、「SAKURA&Giga4.0」の組み合わせでの動作確認は以前行ったことがありますので問題はないと思いますが、逆のパターン「YUZU&Giga3.0」での動作は『?』です。どこかの掲示板で見かけたことはあるような気もするのですが、まあYUZU向けのドライバーもありますので、4.0を入手された方が間違いないかと思います。GigaPocketサーバー機能も追加されてますしね。
さて、ここで幾つか注意点があります。・・・まずはケーブル関連。大抵の出品の場合、YUZU(SAKURAでも同様)とM/Bもしくはサウンドカードを接続する3ピンの音声ケーブルは付属されていますが、10ピンのAVケーブルは付属していたりしなかったりしています。この辺りは追って写真付きの解説をしますが、RやRXのフロントにAV入力端子がありますよね、この端子(端子そのものではなくそれに繋がっている基盤)とMPEGボードを接続するケーブルなんですよ、コレ。ということは、もうおわかりかと思いますが、この10ピンケーブルがないと、前面の入力端子が使えません!! まあ、それだけといえばそれだけなんですが(^^;) このケーブルは特殊なモノらしく、ちょっと町中をふらついて探したことがあるんですが、全然見つかりませんでした・・・ 唯一近かったのは、
I・O DATA のGV-Frontというビデオキャプチャーボード用フロントアクセスユニットに付属の6ピンケーブルですね。まあ、ピン数も違いますし、同じモノとは思えませんが、形状ややりとりされるデータは同じようなモノなんでしょうねぇ。で、「一緒に落札した方がいいですよ〜」ということですね。そうそう、なんで10ピンケーブルのない出品があるかというと、最近はRやRX以外にもGiga搭載機が増えてきていますが、必ずしもフロント入力端子があるわけではないですよね。そこから出品されれば当然ケーブルもない、というわけですね。最後に、SAKURAにも同じ10ピンケーブルがあるんですが、これを流用することは残念ながら出来ないんです。まあ、その理由も追々説明しますぅ
次にアナログDVサブボードですが、コレはSAKURAやYUZUの上に子亀のように乗っかっているボードです。RでもRXでもそうですが、5○系には「アナログDVリアルタイム変換」機能が無いはずです。この機能はこのサブボードが担っているので、単純にボードがあれば機能が付く、ということになります。まあ、出来ることと言えば「アナログ入(出)力ソースをリアルタイムでデジタル出(入)力」ですから、一度そのソースをDVgateやGigaで取り込んでから変換して吐き出せば同じことですので(DVカメラでもこういう機能はあるみたいですね)、使用頻度とコストパフォーマンス次第で選択すればよいと思います。ちなみにSAKURAに搭載されているサブボードと、YUZUのそれは型番が違います。動作確認(人柱!?)こそしていませんけどね(^^;)
最後にリモコンです。まあ、コレこそ好みでしょうね。使わなければ邪魔なだけでしょうし・・・ ちなみにGiga4.0からは全画面表示でもビデオカプセルが選べたりして、機能が向上しています。まあ、お好みでどうぞ。なお、W用の「RM-GP3K」は上手く動かないそうですよ〜
で、色々と書いてきましたが、最終的に落札価格の相場は、(付属品にも寄りますが)2002年3月頃で35K〜40K円程度だと思います。高いと見るか安いと見るかはお任せしますが、無事に役割を終えたSAKURAを同様にオークションで捌いたところ、ケーブル全部とアナログDVサブボード付きで17K円になりました。差額が20K円そこそこですから、市販の高性能なTVチューナ付きMPEGボードを買うより断然割安だと思いますよ〜
GigaPocket4.5へのアップグレードキット発売が2002.04.11に発表されています。SAKURAには非対応と記載されていますが、4.0が動作したようにSAKURAでも使用出来るかも知れませんね。いずれにしてもこれで4.0にする意味は薄れたかと思います。リモコンの有無(無しバージョンは5月末発売予定ですね)や元のGigaのバージョンで色々な種類があるので、ニーズに応じてチョイス出来るのは嬉しいところですね! なお、「各バージョンで何が違うの?」なんてことがここに整理されていますので、これはこれで参考になりますね(^o^) (2002.04.14 加筆)
3.SAKURAとYUZUを比べてみる & もう換装出来ますね (2002.04.14 記載)
では、実際にGETしたモノを比べてみましょう。
|
ぱっと見た感じではそれほど大きく違わないように思えますが、実は結構違ってるんですよ(^^;) 性能やチップなどは正直ほとんど(!?)分からないので、実際にR60に搭載しようとしたときに気になってくる接続端子などを中心に確認してみます。上の写真クリックで、以下の説明文に対応したNo.入りの拡大写真が別窓で開きますので参考にしてください。
1.3ピンの音声ケーブル端子
この端子はSAKURAではボードの前端部に、YUZUでは後端部にあります。この端子から生えたケーブルの接続先は、上記のようにM/Bもしくは増設したサウンドカードになりますが、サウンドカードはこのMPEGボードと平行してPCIスロットに増設することになるので、SAKURA→YUZUで端子の位置が変わっても物理的な問題はなさそうです。M/Bへの接続はどうかというと・・・
![]() |
こんな感じになっています(拡大写真を参照してください)。SAKURA接続時で ケーブルの長さがほぼピッタリですね。 ちなみにPCIスロットがひとつ空いていますが、この音声ケーブルを 抜くためにATAボードを一度外しています。 |
このように、今回YUZUに換装すると、MPEGボード側の端子が後端部(写真でいう左側)に移動することになるので、M/B側の端子との距離も近くなり、そのまま差し替えてやることで問題はなさそうです。なお、YUZUには向きの違う3ピン端子が二つありますが、これはどちらも同じモノのようです。
2.10ピンのAVケーブル端子
この端子も音声端子同様、SAKURAでは前端部に、YUZUでは後端部にあります。この端子から生えたケーブルは・・・
![]() |
ここに繋がっています(拡大写真を参照してください)。実はコレが大問題に・・・ |
![]() |
哀れな状態の図。 見るも無惨・・・ 結構ショックが大きいです、コレは(T_T) ほんの2〜3cmなんですがぁぁ |
音声3ピンケーブルと違い、コチラはMPEGボード側の端子が後端部、つまり遠いところへ移動することになります。そう、純粋にSAKURAのケーブルを流用しようとしても、物理的に長さが足りないのです。届かないんですよ〜!! 切った貼ったで延長すれば事足りるのかも知れませんが、そんなテクニックは‘み’にはないですし、当然ノイズなども気になりますよね・・・ と、考えるとやはりこのケーブルはYUZU本体と一緒にGETした方が無難ですね。でなければフロントAV端子を諦める覚悟をするか、どちらかでしょうねえ・・・ ‘み’の場合は、ケーブルなしで落札した後この事実に気が付き、色々と探し回った結果、出品者の方に手配して頂くことが出来て事なきを得たんですが(^^;)
![]() |
で、入手したケーブルを比べてみました。明らかに短い方がSAKURA用、 長い方がYUZU用です。SAKURA用は約20cm、YUZU用は約30cmでした。 |
3.TVアンテナ入力端子
これは特に問題はないと思います。まあ、位置こそPCIスロット(M/B)に近いところからその上部に移動していますが、外部からアンテナコードを接続する位置が数センチ移動するだけですからね。えっと、R60の後から見て右に移動することになりますね。アンテナコードそのものがぎりぎりで届いている場合は、ちょっと問題になるかな(^^;)
4.AV(S映像)入出力端子
これも特に問題はないですね。ただ、YUZU単体を入手した場合、どちらが入力でどちらが出力か分からない可能性がありますので、一応ココに記載しておきます。上にあるYUZUの写真で、上側(TVアンテナ端子に近い方)が入力端子、下側が出力端子です。まあ、違っていたらつなぎ換えれば良いだけですけどね。
5.アナログDVサブボード
今回はYUZU用のモノは入手していませんので、写真はありません。YUZUの拡大写真も、サブボードがない状態にNo.を付ってあります。そこで、SAKURA用のモノを紹介します。なお、SAKURA・YUZU共に拡大写真で確認していただけると思いますが、3ヶ所ある矢印の先にあるネジがサブボードとMPEGボード本体を固定しています。
ちなみにこの8ピンのケーブルですが、端子こそ10ピンのAVケーブル端子と同じように見えますし、接続も出来そうなんですが、実装されているケーブルは8ピン分しかないため、まず間違いなく代用は利かないと思います。いずれにしてもYUZUでサブボードを搭載する場合、そっくりそのままM/Bへの接続をSAKURAのそれと変更してやるだけでよいみたいです(確認したわけではありませんよ!!)。
ここまで比較をしてしまうと、もう実際に(物理的な)SAKURA→YUZU換装は終わったようなモノですね。ただ、やっかいな点が一点・・・ それは、こういった特殊なケーブルが異常に固く接続されていることなんです。個体差はあるんでしょうが、はっきり言って手ではまず外せないと思っていただいた方が賢明です。‘み’の場合は必要に応じてATAボードなど、邪魔になりそうなモノを外し、ラジオペンチを用意して慎重に時間をかけてゆっくりと外しました。ヘンに力を入れると、勢い余って色々なパーツを物理的に昇天させてしまうおそれがあるので、十二分に注意しましょうね。
後はYUZU用のドライバーを当て(万が一の時に備えてSAKURA用のドライバを残したままにしましたが、どうやら杞憂に終わったようです)、GigaPocket4.0をインストールすればソフト的な換装も終了です。ちなみに‘み’の場合は、いきなりGiga4.0を3.0に上書きインストールし(基本的にこの段階で3.0バージョンのビデオカプセルは読めなくなります。データ自体は残っており、加工すれば何とかなりそうなんですが、無くしたくないカプセルをお持ちの方はMPEGファイルに書き出して置いた方が賢明ですね)、物理的にMPEGボードを換装した後、ドライバを当てましたが、特に問題らしい問題はありませんでした。YUZUは元々Win2000でも問題のないボードですから、スタンバイが出来なくなったりもしませんしねぇ(^^;)
・・・問題発生です! MAIN BBS にカキコを頂いたのですが、10ピンのAVケーブル端子で接続した前面入力端子なんですが、確かにビデオレコーダからの入力で「VIDEO2(前面)」を選択できるようにはなりましたが、なんと選んでも画像も音声も出ないんです!! かろうじてS端子から入力した映像だけが、水平方向にぶれたセピア調という感じでうっすらと写りますが、その他はまるでNGです・・・(T_T) 現時点で原因や解決策は分かっていません。換装される方は十分ご注意下さい。 (2002.05.01加筆)
BBSやメールで皆様から情報を頂き、無事に前面端子を使用出来るようになりました!! 情報を下さった方々には本当に感謝ですぅm(_ _)m で、どうしたかというと・・・ 「YUZUでSAKURAの前面端子を使う」をご覧下さいm(_ _)m (2002.10.15記載)
4.画質はどうなった? (2002.04.23 記載)
さて、で、肝心の画質はどうなったのでしょう。動画を残しておけば良かったのですが、SAKURA時代に残したモノは特にないんですよねぇ Gigaを4.0にしたときの読めなくなったビデオカプセルは全部削除しちゃいましたし・・・ で、仕方がないのでGigaビデオレコーダの「静止画をキャプチャー」する機能で保存したbmpファイルを比べてみることにしましょう。
![]() |
![]() |
〔SAKURA〕 | 〔YUZU〕 |
それぞれのボードで高画質録画したビデオカプセルから静止画を切り出し、それをPictureGear5.0でjpegへ 変換(参考までに「最高画質」で変換しています)の上リサイズしたものです。画像からのリンク先はリサイズ前の jpeg画像です。なお、変換前のbmpファイルはそれぞれ画像の横にある(bmp 901KB)の文字からリンクしています。 コチラは激重なんですが、jpegでは変換時に画質が変わってしまいますので、敢えてアップしておきました。 なお、この画像は2002年の1月からTV朝日系で金曜日の夜に放送されていた「TRICK2」というドラマの予告の ワンシーンです。‘み’は実はこのドラマがお気に入りで、毎週欠かさず見ていたりしました(^^;) 別に仲間由紀恵のファンっていう訳じゃないですけどね〜 映画化も決まっているようで、結構期待しています。 ちなみに、SAKURAの方は『おまえのやったことは、全てお見通しだ!』YUZUの方は『1000万円、もらった!』 なんて言う台詞が入るんですよ〜 あと、気に入っている台詞は『行くぞ、上田!!』ですねぇ(^o^) あ、画像は勝手にアップしているので、問題があれば直ぐに削除しますぅm(_ _)m ・・・少し宣伝になってるから許してくれるでしょ!? |
話が大きくそれましたね・・・(^^;) 画像(特にbmpファイル)を見比べると分かると思いますが、はっきりと画質が向上していますね、YUZU。違うシーンですし、明るさも結構違いますので、単純比較は難しいかと思いますが、「TRICK2」というキャプション周りの「色のにじみ」にはあからさまな違いが見られると思います。このページの最初の方でも書きましたが、この違いは動画になると「目からウロコ」のレベルです。この「にじみ」は、コンパクト表示で再生しているとそれほど気にならないのですが、正直な感想として全画面表示などではかなり気になります。コレが無くなって、十分に通常の運用に耐えられるレベルになったと思います。テープメディアのビデオと比べると、S-VHSの標準モードと良い勝負(やや落ちるかなぁ)だと思います。ただ、画質そのものが良くなったために気になりだした所がありまして・・・ MPEG特有のノイズというか(ブロックノイズではないんですが)、動きの激しい場面で、ちょっと見難くなったりすることがありますね。まあ、コレばかりはVBRとかにならないと解決しないんでしょうけどね。我慢出来ないレベルではないですし、今回のYUZU換装でGiga録画ファイルがDVD-Videoのソースに出来ればもう言うことはないですぅ(^o^) この検証はDVD-Videoを焼けるドライブをGETしてからになりますけどね〜