【R60 緊急手術!!】
お手軽改造により図らずもHDDの温度が異常な状態にあることが露呈してしまったため、緊急手術をすることにしました。今回はHDDやひいてはR60全体の寿命にも関わりかねない事態なので、とにかく大至急の対応をすることにしました。とはいえ、折角買ったHDDを無駄にするのもシャクですので、なんとかこれは活かす方向で行きたいと思います。
1.HDDの温度変化を見てみる (2003.01.12記載)
増設したMaxtor製のHDD「DiamondMax Plus 9」の60GBタイプ「6Y060L0」の温度が70℃という異常値をたたき出したことで今回の手術を行うことになった訳ですが、あまりにも数字が異常なので、起動直後からの温度を計測してみることにしました。他のHDDと合わせて比較すれば、どの程度の異常なのかもよく分かると思いますしね。
今回問題になったHDD シャドウベイ上段に設置 |
シャドウベイ下段のHDD | 光学ドライブ下側の5インチベイに 設置したHDD |
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起動 直後 |
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約30〜 40分後 |
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約 60分 後 |
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約 120分 後 |
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時間に関しては同時計測が出来ないこともあってややアバウトですが、各HDDおよそ同時に計測したモノと考えていただいてOKです。条件としては、特に重い処理を行ったりはせずにWEBブラウズやメールのやりとり程度を行っています。室温は冬場なので12〜15℃程度です。なお、これ以降は(6時間程度までは確認済み)ほとんど温度上昇は見られませんでした。良いところプラス2〜3℃ですね。DVD-VideoをSimpleDVDMakerで作成した直後(オーサリングで結構な負荷がCPUに掛かりますし、ライティングでドライブからも廃熱されるはずなので通常の使用条件としてはシビアなはずです)でもこれは同様でしたから、ほぼこの最下段の数字がMAX値のようです。まあ、夏場はこの限りではありませんが・・・(^^;)
で・・・よくよく上の表を見ると一目瞭然ですね。「6Y060L0」はHDDそのものが発する熱が非常に大きいんですねぇ 他の2台と比べると起動直後で既に30℃前後の差があります。こんな発熱全開のHDDを一番熱の籠もる筐体上部に設置していれば、どんどん温度が上がるのもうなずけます。更に、他の2台の温度上昇も意識すると、R60筐体内部が全体的に約20℃の温度上昇に見舞われているようです。とは言っても、HDDが40℃前後の温度であればそれほど問題はないでしょうから、やはりポイントは「6Y060L0」の熱対策と言うことになりそうです。
2.冷却方法を考える (2003.01.15記載)
では、実際の手術はどのようにやりましょうか・・・ 温度を下げる方法としては、「空気の流れを改善する」のがもっとも安全確実かと思います。ペルチェ素子や水冷なんてのも面白そうではありますが、今回は緊急性&深刻度が高いので堅実に行きます(^_^;)
「空気の流れを改善する」つまり空冷(ポルシェのエンジンではありませんよ〜)を行うとして、熱源の「6Y060L0」の温度を下げる為にはどんな手段があるでしょうか・・・考えられる現実的なモノをいくつか列挙してみました。
1.ヒートシンクやファンの設置
2.筐体改造(通気穴などを作る)
3.HDDの設置ベイ(位置)を変更する
4.HDDの台数を減らし、筐体内の空間を広く確保する
2.はRを改造する方なら誰でも一度は思い付くのではないでしょうか? 筐体の構成上、熱がこもりやすい上方にHDDがマウントされているので、その上側にスリットや大穴を空けたりしてやれば結構廃熱出来るように思えます。空け方によっては恐ろしく不細工になる可能性があるので、(そう言えば前回もこれは考えましたね・・・)パスしています〜(^_^;)
3.現在、‘み’のR60にはHDDが4台積まれています。2台がシャドウベイ、1台が5インチ空きベイ、もう1台がFDD下にぶら下げる形です(この釣り下げHDDあたりはココで紹介しています)。シャドウベイ以外は割とHDDの周囲の空間に余裕がありますし、ぶら下げHDDにはFANまで付けていますので、これら4台のHDDをローテーションさせて、発熱の激しい「6Y060L0」を別の場所に移せば状況を改善できそうです。ここで、上の温度変化の表をよーく見てみると、シャドウベイの下段と5インチ空きベイにそれぞれ設置しているHDDは「6Y060L0」と同じように温度上昇していますので、ここに「6Y060L0」を持っていっても全く意味がないように思われます。残るはFDD下のぶら下げなんですが、実はこのベイは呪われてるんです・・・あまり使いたくありません。FANの振動が原因なのか、縦にぶら下げているのが良くないのか、以前2万数千円もした60GBのHDDが半年ほどでクラッシュしたイワクつきのHDDベイなんですよね。現在は古い30GBのHDDを取り敢えず設置しているんですが、おもいっきり不良セクタが出来てますしねぇ・・・
さらにこのベイは手製ということもあってがっちり固定している為、HDDの交換が非常に困難なんです。出来れば触りたくないな・・・と(^_^;)・・・という訳でこの選択肢もパス!
4.HDDを大容量のものに変更して台数を減らせば空間にも余裕ができ、消費電力も少なくなるでしょうし、温度も自動的に下がりそうなんですが、金銭的な理由から今回はあっさりパスしています(^_^;)
単に台数を減らすのは、現在のDV編集環境を考えると容量不足になってしまってNGですしね。
1.は非常に現実的で分かりやすいですね。できればこの方法で行きたいですが・・・ヒートシンクについては既に前回試して(遊んで?)いますし、残るはFANということになります。問題になりそうなのはFANを設置する場所の確保と、そろそろ不安な要素になっている電源容量、後は「音」ですかね。まあ、「音」に関しては、今回は背に腹は代えられない状態なので無視します。既にR60はFANまみれ(後ほど記載します)なので、今更ひとつFANが増えたところでどうってことはないです!
次に電源ですが、FAN程度ならそれほど消費電力が大きいものでもないでしょうし、これは神頼みをします(^_^;)
まあ、最悪はFDDぶら下げベイのFANを止めたり、そのぶら下げHDDを撤去したりすれば何とかなるでしょうしね。
3.FANを装着する (2003.01.27記載)
実際にFANの増設に入ります。位置としてはシャドウベイの下側、つまり電源BOXの上側の空間にHDDの方へ空気を吹き付ける形で設置したいと思います。ここで一つ注意点があるのですが、通常、シャドウベイには上側(IDEコネクタでM/Bから遠い方)にマスタードライブ、下側(同じく近い方)にスレーブドライブを設置することになりますが、FANの設置位置を考えると「6Y060L0」をシャドウベイの下側に持ってこないと効果は薄くなってしまいます。起動ドライブはATA133の「6Y060L0」ですし、それを変更するつもりもありませんので、今回はマスター・スレーブの両ドライブ位置を入れ替えてしまいます。もちろんジャンパーピンはそのままですので、M/Bに近い側にマスターHDD、遠い側にスレーブHDDを接続することになります。恥ずかしながら・・・この「M/B側にマスターHDD」という接続ですが、以前HDDの換装の際にHDD位置を取り違えていたことがあって、結構長い合い間気がつかずに使用していたことがあります(^_^;)
その時も特にパフォーマンスが落ちたり不具合が出たりということはありませんでしたので、この人柱行為によって得た自信により今回もHDDを入れ替えてしまうことにしたんですね。
では、入れ替えた「」の下側にFANを設置します。今回選んだのはHDD用のヒートシンクを兼ねたツインFANタイプのものです。
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JustyのHDDクーラー「DHC-07BL」。 確か1300円くらいでした。 |
HDD下側のネジ穴を使ってHDDに密着させるように設置するような構造なので、ヒートシンクの効果も期待できます。あ、これでR60内部のFANが全部で5個に・・・
・電源BOX内のFAN(死に損なったので一度交換済)
・CPU-FAN(CeleronからPIIIに交換した時にリテール品設置)
・HDD-FAN(手製のFDDぶら下げHDDベイに使用)
・HDD-FANX2(今回のツインFAN)
これでますますうるさくなりますねぇ(^_^;) まあ、上で書いたように気にしないことにしますけどね〜
実際の接続については、HDDはがシャドウベイに収まっている為に、残念ながらHDD下側のネジ穴が使用できませんでした。ヒートシンク効果を期待する為にも、出来るだけHDDに密着させたいのですが・・・ 仕方がないのでそれなりに熱を持っているシャドウベイに密着させてやることにしました。当然既存のネジ穴やネジでは固定できないので、新しくネジ穴を切ったり、フックを付けたりすることになるんですが、どうも‘み’は金属加工が苦手(こんな風にF1メタルキットを作るので、ハンダ付けやヤスリがけなら余裕なんですが・・・)なので、こんな小手先の技で逃げてしまいました(^_^;)
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梱包用の強力なテープを使ってしっかり&厳重に貼りつけて しまいました。 テープが透明なのでちょっとわかりにくい かと思いますが・・・ |
余談ですが、上の写真でも確認出来るように、ヒートシンク(中央下側の目立つヤツ)を一つ追加しています。前回、ヒートシンクを大量に貼り付けた際に「シャドウベイとシャーシの隙間(本体後方のシャーシとの隙間)が5〜6mm」であることを確認しておいたので、厚さ6mmのモノを貼り付けています。これでヒートシンクとシャーシの一部が密着し、廃熱に一役買ってくれるはずです。実際には6mm厚だと、ややシャーシを押し出すような形になりますので、5mmのものがあればその方がフィットしたかも知れません。
更に、万が一これが剥がれてFANが落下したりしてしまうと大変なことになるので、その辺(‘み’のF1メタルキット用の材料の一部ですが)に転がっていた洋白線でフックをつくり、ヒートシンクの突起とHDD固定用の手回しネジを繋いでやりました。
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フックといってもこんな程度です。ワイヤーで締め上げる ようなイメージですね。これを3ヶ所に付けてやりました。 |
まあ、取り敢えずそれなりの強度で設置できたと思いますので、良しとしましょう(^^;)で、実際にFANを動かしてR60を起動してみると、確かにしっかりうるさくなっているような気が・・・(^_^;)
4.効果の程は・・・?? (2003.01.31記載)
FANを設置した結果、温度がどのように下がったかというと・・・ まあ結果から言えば「こんなものかなぁ」という感じです。下に起動から数時間経過した時点での温度測定結果を並べてみました。
今回問題になったHDD シャドウベイ下段に移動 |
シャドウベイ上段へ移動したHDD | 光学ドライブ下側の5インチベイに 設置したHDD |
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起動 後 数 時間 |
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問題の「6Y060L0」は約10℃の冷却に成功したようです。決して低い温度ではありませんが、起動時から50℃近い状態であることを考えると上出来の様にも思えます。同様にシャドウベイ上段に移動したHDDも数℃は冷却出来ていますね。あ、一台5インチベイに設置しているモノは我関せずといった所ですが・・・(^^;) 実際にはDVD-Videoのオーサリングやライティングをしてもこれ以上の温度上昇は(誤差程度しか)ありませんでしたので、まあここで落ち着いたことになりますね。いや〜今回は正直言って焦りましたが、まあ何とかなったようです(^_^;)
後は夏場にどこまで上がってくるかが気になるところですが・・・ 皆さんもHDDを交換する差異には発熱に十分注意しましょうね〜