【フィルムスキャナ DiMAGE Scan Dual IV】

 

1.チョイス (2005.02.07)

スゴ録によるVHSのDVD化完了の目処が立った頃から、同じくアナログ媒体で保管されている「写真」のデジタル化が気になりだしました。で、‘み’が持っているスキャナは今はもう骨董品?の域に入ると思われる「Canon FB1210U」で、これを気に退色復元とかホコリ除去とかの機能を持った新型に買い換えるのもいいかと。機種やスペックやお値段を色々と吟味してきた(この辺の逡巡は04年12月中旬頃のよもやま日記にも書いていますので読んでやってください)んですが、結局カードリッジ状態のAPSフィルム取り込みを考慮し、フィルムスキャナをチョイスしました。確かに35mmスリーブのネガフィルムをスキャンすることを考えると決して効率は良くないんですが、フラッドベッドスキャナでは物理的にスキャンできないAPSカードリッジを優先したってことですね。あと、フィルムスキャナだとフィルム面にピントを合わせてスキャンできるので、餅は餅屋という意味もあるんですけどね〜
で、現実的(お値段的)に手の届く範囲にある機種として、KONICAMINOLTAの「DiMAGE Scan Dual IV」をGETしました。 これに、オプションのAPSカードリッジ取り込み用アダプタ「AD-10」もセットで購入。購入当時(04年年末〜05年あたり)、スキャナ本体は量販店で36,000円のポイント10%還元程度、価格.comの最安値でも28,000〜29,000円に送料上乗せで
30,000円程度・・・という状態で、もうちょっと安くなるのを待とうかとも思っていたんですが、ヤフオクで27,800円の送料・代引き手数料込みの出品があったので、すかさずこれをGET。APSアダプタは販売そのものを見かけないので、Yodobashi.comで定価14,800円のものを11,300円の10%ポイントでGET。ってことで全部込みで約38,000円程度で購入できたことになります。
ネガのデジタル化そのものについては、写真屋さんでのCD-R書き込みサービス(大体相場は500円/フィルム1本程度かな)みたいなヤツも考えたんですが、やっぱりマニアックな‘み’としてはちょっと(^^;) ただ、今後フィルムカメラとデジカメを併用する・・・という程ではないので、手持ちのネガフィルムを全部スキャンしたらDiMAGEは転売するぐらいのつもりでいますから、十分元は取れるかと。仮に100本分のフィルムがある(確実ではないですが多分そのぐらいあるはず・・・)とすると、380円/本になりますし、スキャンしたデータをメディア(DVD-Rかな)に保管するにしてもこれに数十円乗るだけですから、この時点でもお徳感があります。CD-Rサービスだと解像度とかも色々制限されるでしょうしね。

ってことで、この「Dual IV」ですが、最高3200dpi(約1460万画素)相当、オートフォーカス、16bitA/Dコンバートでのフィルムスキャンができ、「Pixel Polish」による退色復元機能(8bit時のみ)や、「逆光・露出不足」の補正、「Auto Dust Brush」ほこり除去など、‘み’レベルで必要そうな機能・スペックは全て備えています。
実際には、特に補正とかその手の機能については使ってみないとなんともいえない部分が多いかと思いますが、この辺に期待してぼちぼち使っていこうと思います。




2.開梱〜設置
 (2005.02.24)

そんなことでGETしたDual IV。早速外箱から取り出してみました。オークションで購入していることもあり、動作確認は早めにやっておきたいですし。

同梱品はこんな感じ。

ACアダプタを写し忘れましたが・・・、結構基部がでかいので狭いところにコンセントがある方は電源の延長コードとか用意した方がいいかも知れません。結構しっかりした&デカイ箱に入っていた割に、本体は肩透かしを食ったかのように軽いんですよね。なんかプラスチッキーで安っぽい感じですし・・・しかも、これは使ってから分かったことなんですが、フィルムを差し込む部分のドアが手動なんですよね・・・ これは正直意外でした(^^;) まあ、一番の普及モデルですから高級感を期待するのは酷ってもんでしょうけどね。
サイズ的には丁度RX筐体の上に載せるとピッタリな感じでしたが、流石に熱や振動は与えない方がいいはずなので、机の上にスペースを確保して設置。前面投影面積こそ145mm(幅)x100mm(高さ)と小さいんですが、奥行きが325mmありますし、そこからUSBケーブル&電源ケーブルが延びることになるので、結構場所を取ります。まあ、‘み’の場合は永遠に置きつづけるわけではないのでしばらく我慢ですね〜

こちらは別途購入した
APSカードリッジ用アダプタ「AD-10」。

一言で言うとなんか黒い箱なんですが・・・これで約15,000円とはボッタクリでは・・・と思ってしまう程度の代物です。まあ、背に腹は換えられませんけどねぇ・・・
で、スキャナのユーティリティやドライバのインストールなどは特に問題もなく完了。冒頭で書いた「Canon FB1210U」も繋がったまま(スキャンそのものを同時に行ったりはしていませんけど)でしたが、特に競合なども起こっていません。



3.使用感(APSカードリッジ)
 (2005.02.28)

ということで、動作確認の意味も込めて早速APSカードリッジを取り込んでみる事にしました。APSカードリッジ用のアダプタについては、WEB上にあまり情報も無く、どんなものなのか少々不安だったんですが、実際上で紹介したような黒いプラ製の箱でした。

APSカードリッジをこんな感じで差し込んで、
手で蓋を閉めます。
電源の入ったDual IVのゲートを「手で」開け・・・(^_^;)

そこにカードリッジを差し込むと・・・ 自動的にフィルムが巻き出される?ようです。後は標準スキャンユーティリティで取り込んでもいいですし、バッチスキャンユーティリティでフィルム1本丸ごとのスキャンも可能です。スキャン後は本体のボタンorユーティリティソフトからフィルムの巻き上げを行い、カードリッジを手で抜いてフィルムを取り出すって感じです。
実際の作業時間ですが、‘み’の環境(WinXP、P4-2.8CGHz、PC3200-1GB、USB2.0)で取り込んだ場合、40枚撮りAPSカードリッジ1本に掛かる時間としては、巻き上げが数十秒、インデックススキャン5分程度、本スキャン50〜55分程度です。ちなみに、この時のスキャン設定はこんな感じです。

もともとAPSなのでフィルムサイズ自体が小さいですし、コンパクト機や水中カメラで撮影したものもあるので、あまり高画質は期待していません。デジタル化が目的ですからねぇ まあ、画質=ファイル容量で考えたときに、キスデジ撮影のjpeg程度になれば十分程度に思っていますから、ある程度画質面は妥協しています。それでも当初は16bitで取り込む予定だったんですが、現時点では8bitでないとホコリ除去機能である「Auto Dust Brush」が正常に働かないそうなので、8bitで妥協しています。
なお、フィルムのピント合わせ回数の設定になるマルチサンプルスキャニンングを1回にすると、上記設定でのスキャン時間がほぼ1分/1枚になりますので、これも何かの参考になれば。

で、画質面ですが、どうにもグラデーションや極端に暗い部分などがイマイチって感じでしょうか。「Pixel Polish」の設定などをプレビュー画面で確かめられるので、この辺は場合によっては1枚ずつ取り込み・確認とかすれば間違いないんですが・・・流石にそこまで手をかけたくないので、よっぽど綺麗に取って置きたいもの意外は一括で修正処理までやらせちゃっています。特に暗めのグラデーションがある写真なんかは、下手に「Pixel Polish」設定すると増感ノイズ全開の画像が出来上がりますので注意が必要です。それ以外はまあ十分許容範囲かと思います。
そうそう、まだAPSしか取り込んでいないんですが、動作音がかなり気になります。スキャンの音というよりフィルム巻き上げ時のモーター駆動音ですね。スキャニングそのものはそれほど気になる音は出ない(それでもそれなりに音は出るので、‘み’的には全く気にならない・・・とまでは言えません)んですが、フィルムの巻き上げ時にはかなり大きな音が出ます。人によっては同じ部屋で寝ていられないかもしれませんので、夜中にこっそりスキャンしようとしている方は運用面で要注意ですねぇ・・・

APSのプリントを1枚ずつスキャンするなんて気が遠くなりますし、画質面でも間違いなくネガから取り込んだほうが綺麗でしょうしね。まあ、カードリッジから取り込めるだけでもDual IV&APSアダプタの意味は十分ありますが(^^;)





4.使用感(35mmネガ)
 (2005.03.03)

引き続き35mmネガフィルムをスキャンしてみます。通常のネガフイルムは6枚単位でのスキャンが可能です。専用のアダプターにネガを挟んで本体に差し込みます。以降の手順はAPSカードリッジと同じです。あ、もちろんカバーオープンは手動ですし、アダプターの差込も手動(^^;) カードリッジ差込は結構抵抗があるので、慣れないとどこまで押し込んでいいのかちょっと不安かも・・・

こんな感じで差し込みます。

後は勝手にアダプターが動いて、指定したとおりにスキャンしてくれます。APSカードリッジと違うのは、フィルムが剥き出しになってフィルムアダプターが動くことになるので、少なからずホコリに対してケアしておかないと危険ってことですね。まあ、APSカードリッジの方はフィルム側が動くことになる(アダプターも多少前後しますが)ので、一度ホコリが付着すると同じホコリが延々スキャンされつづけることになったりするんですが(^^;)
あ、動作音ですが、フィルムの巻上げがない分、APSよりは圧倒的に静かです。
実際の作業時間ですが、6枚スキャンに掛かる時間としては、大体12分程度。この時の設定は基本的にAPSと同様にしていますしています。大量のネガをスキャンしようとすると、流石にMAXが6枚なので(時間が掛かる印象は無いんですが・・・)いちいちフィルムをセットするのがむちゃくちゃ大変です・・・ 後で書きますが、スキャン中は全く他の作業が出来ないわけではないのが救いなんですが・・・ ある程度は覚悟していたつもりですが、いざやってみると無間地獄に陥ったかのような錯覚に・・・(T_T) ‘み’のようにAPSカードリッジ必須だとか、幾ら手間がかかっても高画質でスキャンする!という意気込みのある人でなければ、30枚とか一括でスキャンできるフラットベットタイプ(9950Fとか)の方がお勧めですねぇ・・・
で、画質の方はというと、十分に綺麗です。APSがあまり芳しくない状態だったのでそれほど期待していなかったんですが、グラデーション部分も十分見られるレベルです。ないが違うかというと、ネガフィルムのサイズそのものが大きく違うんですよね・・・ 正直、ここまで画質に違いが出るとは思いませんでしたが・・・ 個人的な印象としては、APSは何とかガマンできるかなぁというレベル、35mmは十分満足の行くレベルです。実際にサンプルを上げようかとも思ったんですが、撮影条件等によっても大きく左右されますし、全く同じ画像を35mmとAPSでは用意できませんから、この程度の文字表現に留めておきます。主観的な部分も多いですからねぇ・・・ まあ、APSに過度の期待をしないようにってことですね。
ちょっとフィルムのサイズの話を‘み’の確認の意味も込めてここでしてみると・・・

35mm APS
24mm 16.7mm
36mm 30.2mm
面積 864平方mm 504.34平方mm

改めて比べたことはなったんですが、面積比で約1.7倍の差があることになります。縦横比(モニタとかだとアスペクト比にあたりますね)が違うので一概には言えませんが、これをDual IVの最高画質3200dpiでスキャンすると、こんなサイズになります。

35mm APS
約3,000pixcel 2,000pixcel
約4,500pixcel 3,504pixcel
容量 約10MB 約5MB

35mmの方に「約」がついているのは内側でオートトリミングしているためですが、大きくは変わりません。APSの方もトリミングしているんですが、何故か必ずこのサイズになっています。容量は画像によってまちまちなので、平均的なものを選んでみました。この辺は通常のデジカメ画像と同じで、アンダー気味の絵を増感していうるような場合や、細かいノイズのようなモノは容量が大きくなります。当たり前ですが同じモニタで同じ大きさに表示してスキャン画像を閲覧した場合、写真プリント時と同様に画質に差が出てくることになります。まあ、APSは画質面で35mmより劣っている反面、フィルムの途中交換が出来たりとか(ISO感度の違うフィルムやネガとリバーサルを途中で入れ替えて使えたりとか)、フィルムが小さい分カメラやレンズが小さくて済むとか、こっちの方の利便性が高かったものですから、この辺は妥協するしかないですねぇ




4.CPU使用率と売却
 (2005.03.08)

あと気になる点としては、スキャナ付属のユーティリティソフトがたま〜に固まります。原因はよく分かりませんが、スキャンをキャンセルして残りをスキャンすればいい話なので、特に気にはならないかと思います。ソフトが悪いのか、‘み’の環境と相性が悪いのかも分かりませんけどね(^^;)
この「固まる」話でちょっと気になったので、スキャン時のCPU使用率を調べてみました。

大体20〜50%の間をウロウロしています。実際にスキャンしている時が一番高く、50%程度に上がります。感覚としては、確かにスキャン中はWEB閲覧などややもっさりすることがありますが、軽い処理なら特に気にならずに他の作業が可能かなといったところ。Gigaの再生はまあ問題ありませんが、他のAVIなどのソフトウェアデコード系の動画再生になるとコマ落ちが発生するけどなんとか見られないこともない・・・って感じです。スキャン中に一切PCを弄れなくなってしまう訳ではないので、特に6枚しかバッチスキャンできない35mmフィルムなどのスキャン時には色々やりながらフィルムの入れ替えができるので、結構助かります。まあ、「固まる」こと(特に他の処理をしていなくても固まるときは固まるんですが・・・)があるので、余り無理をさせないほうがベターですけどね〜(^^;)
そうそう、このDual IVですが、手持ちネガフィルムをスキャンする使命を果たしたので、当初の予定通りヤフオクにて転売しました。本体が26,800円、APSアダプタが8,750円、合計35,550円ですから、手数料などを差し引いて約3,500円でスキャナを使用できた=レンタルしたような感覚になります。もともと中古購入できればもっと安く上がったようにも思いますが、実際に約4,000枚のネガをスキャンしましたので、単価が約0.87円/枚になります。う〜ん、どうでしょう。個人的には十分コストパフォーマンスが良かったかと思います。せっせとスキャンした甲斐があるってもんですね〜


5.問題発覚? (2005.06.08)

今更ながら、DualIVでスキャンした一部の35mmネガフィルムに変なところが見つかりました。鈴鹿で撮影したF1マシンのショット(ちなみにこれは参戦初年度のBAR 001、ジャック・ビルヌーブのマシンをヘアピンから撮影したもの)なんですが、マシンの周りのアスファルトが何やらうっすらと白くなってしまっているんです。百聞は一見に如かずってことで・・・

こんなです。

フィルムスキャンでjpeg保存し、それをリサイズしてアップしています。こうなってしまっているのはこの1枚だけでなく、同じような条件というかアングルのものは大半がこんな風に白ボケ?してしまっています。しかも、結構大きくマシンが写り、アスファルトが黒々としている部分ほどこの傾向が強いようです。マシンの占める面積が小さいorアスファルトが明るいものは目立たないだけなのかも知れませんが・・・
プリントされた写真にはこんな様子は無く、ここで紹介しているCanonのフラットベッドスキャナ8400Fで取り込んだものにはこんな様子はないので、DualIV or ドライバの特性なのか、褪色復元やホコリ除去設定が悪さをしているのか・・・ 既にDualIVが手許に無いので確かめようもありませんが、ちょっと気なるところですね。
ちなみに8400Fでの35mmネガからのスキャン結果はこんな感じ。

色味そのものが多少違いますが・・・

マシン周りの薄ぼんやりした部分は全然様子が違いますよね・・・ う〜ん・・・ 取り合えず白ボケ?しているものは8400Fでスキャンしておきますが・・・