【RX62 SerialATA搭載】

1.苦労と試行  (2003.08.09)

色々検討した(単に物欲の任せるままとも・・・)結果、唯一の空きPCIスロットにはUSB2.0とSerialATAだろうというイメージが出来てきました。IEEE1394bなんてのも見え隠れしているんですが、まあ一般化するのはもう少し先でしょうしね。そんなわけでどちらかをチョイスすることになるんですが、ここで以前から気になっていた「玄人志向」の「SUPERCHANPON2-PCI」を試してみることにしました。「試してみる」と書いたのは、文字通り正常動作しない可能性があるわけで、半人柱的な意味があるからなんですね(^^;) 

これがボード。 こっちは付属品など。

基盤が赤くコネクタなどが金色をしているので、非常にゴージャスに見えます。付属品はボード本体の他に英語マニュアル・SerialATAドライバFD・SerialATAケーブルってところです。USB2.0のドライバはXP(SP1)に含まれているそうで、付属はしていません。

・・・結局、7/20前後の日記にも書いたとおり実際に上手くいきませんでした・・・ 一言で言うと、シャットダウンできなくなったんです。「シャットダウンしています」の画面で固まります。デバイスマネージャから色々弄くったところ、どうやらSerialATAではなくUSB2.0の方のドライバが悪さをしているような感じでした。で、何とかならないかと試したのはUSB2.0ドライバ及びSerialATAドライバの更新。正確に言うと更新ではないんですけどね。共にOEM元と思われる「AVLAB」のここから古いドライバをDLしてみたんですが・・・全く効果なし。IRQのBIOSレベルでの変更もやってみましたが意味なし・・・ USB2.0関連デバイスを全て削除すればシャットダウンできるので、この辺に問題があるのは間違いないんですけどね。ただ、「無効(デバイスマネージャで常にバッテンがついた状態)」にしてもNGなので、USB2.0だけ使用しないという運用では回避できないようです。
というわけで試行錯誤を繰り返した結果、今回は潔く諦めます(^^;) もともと「苦労と試行」ブランドですしぇ 仮にUSB2.0問題がクリアできても、SerialATAの方で問題が出ないとは言い切れませんし、PCの起動そのものを司る重要なデバイスになるので、信頼性は超必須パラメータですし・・・ ってことで値が下がる前にヤフオク送りと相成りました。さらば〇ャア専用ボード・・・



2.コンボじゃないSerialATAボード  (2003.08.12)

というわけでSerialATA専用のボードを探します。玄人志向には安価な「SERIALATA1.5-PCI」もありますし、オウルテック製の安価なものも見かけたことはあるんですが、やはり安定性が欲しいですよね〜 保険の意味も込めて多少値が張っても有名どころのPromise製かAdaptec製辺りが欲しいところです。Prpmiseでは「SATA150 TX4」という4ポートのSATAボードが一番の狙い目。ただ、「SATA150 TX2 plus」というATA133インターフェースを持つものもあってちょっと惹かれます(^^;) まあ、ATA133チャンネルを使うかと言うと・・・ちょっと必要性は無さそうなので、苦労と試行を教訓にパスしようかなと。で、Adaptecだと「SATA Connect 1205SA」が挙げられます。RAID付きの「Serial ATA RAID 1205SA」もあるんですが、RAIDはどうも好きになれない(同じHDDを2台買う余裕も無い)のでパス。ということで「SATA150 TX4」「SATA Connect 1205SA」を天秤にかけるんですが・・・
某量販店の店頭で、両社ボードの比較POPがありました。まあ、Adptecの製品を薦める比較広告のようなものだったんですが、記憶に残ったのは・・・
Adaptec : SATA信号をIDE変換せず(ネイティブ)に送信&5年保証
Promise : SATA信号をIDEに変換してから送信&1年保証

変換しない方が勿論速いんだとか・・・ 速さを求めて(将来的にはSATAがHDDなどのインターフェース標準になるんでしょうから、そんなことは言っていられなくなるんでしょうが・・・)SATAボードを投入する以上、こう書かれては選択の余地はありませんね。と言うわけで「SATA Connect 1205SA」を抱えてレジに直行〜

中身とボードのアップです。

ボードの他にドライバCD、SATAケーブル2本、SATA用電源ケーブル2本、ロープロファイル用ブラケットが付属しています。後はPCIスロットに挿すだけ・・・と行きたいところですが、もうワンステップ必要になります。




3.SATA変換基盤  (2003.09.04)

現在使用しているHDD「6Y120P0」「4R120L0」は共にインターフェースがATA133なので、そのままではSATAボードには接続できません。そこで変換基盤が必要になります。基本的にHDDのIDEコネクタ側に基盤とかユニットとかを設置することになるんですが、気をつけるのはその厚みです。RXの場合、HDDのコネクタが筐体の側面を向いており、それがかなり側面パネルに近いところにあります。要するに、基盤なりユニットなりを設置するスペースが十分に確保できないんです。R60に比べればマシなんですけどね(^^;)
と言うわけで今回使うのはやはり玄人志向の「SERIALATA-DAT」。この手の製品にしては安めの2,300円程度。

これはコンボボートと同時に購入したものなので、
ちょっと不安だったりしますが・・・(^_^;) 

実際には性能以上に上記物理的なスペースが心配ではあります。基盤自体にはそんなに厚みは無いんですが、電源コネクタやSATAコネクタが基盤から生えていますからねぇ・・・ ってことで現物合わせです。多分いけるだろうと踏んでいたんですが・・・
RXのHDDブラケットには2台のHDDを載めるようになっていますが、何故か若干HDDから見た前後方向(筐体正面から見て左右方向)にオフセットされています。側面パネルをあけた側から見ると、向かって右(正面側)がより奥、左(背面側)がより手前にくるような形です。まあ、ネジ穴は幾つかあるので調整は出来そうですけどね。で、基盤を置いてみると・・・
右のHDDの場合、ブラケットにきっちりとHDD上面が設置する形になるので、1〜2mm程度クリアランスが足りず、接続不可能です!!

こんな感じに引っかかってしまします(TT)

いけると思っていたんですが・・・ 甘かったですねぇ・・・ 気を取り直して左側の場合、右のHDDとの間には(たぶん廃熱も考慮して)数ミリのスペースがあるので、こっち方向は問題なしです。

それほどクリアランスはありませんが、こんな感じで
ほぼぴったり設置できます。

が、側面パネル側はどうでしょうか・・・ 基盤と電源コネクタは収まるようです・・・が、案の定SATAコネクタが微妙なところ。ケーブルを指せばその基部がはみ出すことになるので、側面パネルが閉まらなくなります・・・ 

こんな感じにはみ出します。

側面パネルの内側はやや窪んだ形になっているので、多少ならケーブルコネクタがでっぱっていても問題はないと思われますが、これだけ出ていると間違いなくNGでしょうねぇ・・・ なお、左側のHDDはブラケットにHDD固定の穴さえあけてやれば7〜8mmは奥へ移動できます。そうすれば今回の基盤も設置できそうですが・・・そこまでするのもなぁ・・・

ってことでこんなものをGETしました。
ミヨシ
製SATAケーブルです。
型番失念・・・(^_^;)

コネクタがL字型に折れ曲がっているSATAケーブルです。特に高価という訳でもなく、普通のお値段で入手可能です。皆同じようなことで悩んでいるんですかねぇ(^^;) 

基盤にこのケーブルを指した場合、
こんな感じになります。

側面にはほとんどはみ出さなくなります。側面パネルの窪みに十分ハマる程度ですので、変換基盤を設置できることになりますね! 良かった良かった。




4.続・SATA変換基盤  (2003.09.13)

上で書いてきたとおり、玄人志向の変換基盤では物理的にHDD1台しか変換できないことが明らかになりました。折角SATAを導入するのですから、IDEケーブルを1本丸々スリムなSATAケーブルに置き換えたくなるのが心情ってものですよね。・・・と言うわけで別の変換基盤を購入。

今回もミヨシの製品。「SATA-PCBLL」です。
ちょっと高めの4,500円くらいだったと思います。

基盤のHDD接続部がフラットケーブル状になっており、狭い空間にも設置できるのが売りですね。これなら間違いなくRX(右側のHDDも勿論OK)にも設置できますし、Rでもいけるんじゃないかと思います。あと、どっちの変換基盤も電源はSATA用のコネクタではないんですよね。通常の3.3V-4pinから分岐する形で専用コネクタ?のようなところに繋がる形になっています。実はSATA用の電源変換ケーブルも買ってあったんですが・・・まあ、SATA-HDDを購入したときに活躍していただくことにしましょう(^_^;)
そんな訳で、両HDDに変換基盤を設置、SATAボードと接続してみました。

変換基盤がある分、かえってごちゃごちゃしているような気がしますが・・・(^^;)

側面パネル内側が金属(鉄?)なので、ショートが怖いですね。特にこれだけギュウギュウ詰めになると、ちょっとしたことで基盤とパネルが触れてしまうかもしれませんし・・・ ってことでパネル内側に幅広のビニールテープを貼ってやりました。まあ、絶縁できるものならなんでもいいんですが、安価に済ませました(^^;) まあ、これも保険みたいなものですしね。
なお、折角なのでここで両者の変換チップを比べてみました。

左が玄人志向、右がミヨシ。微妙に型番が違いますが、どちらもSilicon Image製ですね。
多分製造ロットの違い・・・ってことでしょうかね。チップに関して言えば、大きく性能は変わらないと思われます。



5.続・SATA変換基盤  (2003.09.18)

色々なところで見かけるBBSへの質問の中に、「ATAボード接続のHDDに起動ドライブを換える場合、どうやってボードのドライバを入れるのか?」のようなものがありますので、ここで加筆しておきます。まあ、改まって話をするようなことでもないと言えばそれまでなんですけどね。今回の‘み’のように、既にOSがインストールされたHDDにSATAボード(或いはATA133ボードなど)のドライバを追加し、ここから起動できるようにする場合、「ボードのドライバをHDDにインストールする」「ボードとHDDを接続して、ここから起動する」という、ある意味「鶏と卵」的な矛盾を抱えることになります。OSをインストールする場合にはドライバを入れるタイミングがあるんですが、後から入れられるんでしょうか・・・?? 頭で考えると訳がわからなくなってくるんですが、やってみれば実に簡単です(^^)
現状の起動&接続状態のままSATAボードなどをスロットに接続
OSを起動
そのままドライバをインストール
シャットダウンしてHDDの接続を変更(M/B-IDEからSATAボード)
起動してBIOS画面に入り、起動優先デバイスをSCSIに変更
(ここはやらなくても起動時間が掛かるだけです。「IDE-HDDのみ」とかに設定されている場合には必須ですけどね。)
BIOSから出て再起動

これでOKです。
後は必要に応じて「Bootvis」などで起動時間を最適化しましょう。なぜか随分長い間DLできないんですけどね・・・ とにかく一度SATAボードなどのデバイスを認識させてしまえば、後は接続を換えるだけで起動可能になるんですね。あ、そうそう、RAIDの場合は多分再インストール必須になりますけどね〜 ‘み’はRAIDには手を出しませんので(^^;)
*BootvisはHT-P4などに使用すると不具合があるそうで、現在では配布されていません。旧バージョンは一時DLできたようですが・・・ いずれにしてもお使いの方はご注意ください。 (2003.10.08加筆)



5.HDD用LED  (2003.10.08)

それぞれの変換基盤にはアクセスランプ用のLEDコネクタがあります。ミヨシの方にはPower用のLEDコネクタまであるんですけどね。今回はHDD向けにVAIOらしいブルーLEDを設置することにします。ん、今思えばSATAボードの方にはコネクタがないような・・・ 変換基盤ではなくSATA-HDDに交換した時って・・・どうなるんでしょう?? あー、LEDなしかもしれないですねぇ(^^;)
で、今回GETしたのは同じ流れでミヨシ製のLEDです。メーカーはまあ大差ないと思いますが・・・ これを2つですね。相変わらずブルーLEDは高価(@500円位)ですね。赤黄緑とは比較になりません。まあ、元が数百円なのでタカがしれてますけどね。接続自体は特に難しくありません。コネクタに差し込むだけです。向きはこんな感じです。白いリード線がマイナスの側になります。玄人志向の方は基盤に「-」が印刷されていますが、ミヨシの方の基盤には明示されていないようなので繋いで見て確かめましょう。LEDは短時間なら逆付けしても破損したりしないようですしね。
それよりも気になるのが、LEDの発光部分をどこに設置するかってことですね。筐体に穴をあけるのは非常に忍びないですし、他にLEDを置けそうなところって・・・余りなさそうです。ってことで、今回はこんな風にしてみました。

LEDのリード線をHDDブラケット下部(ブラケットを設置しても引っかからない位置)の隙間からフロント側に引き出します。変なところを通すとHDDブラケットを設置したときに切断してしまう可能性があるので要注意です。で、メッシュ状になっているフロントのフレームに、CPUクーラーを設置したときに使用したワイヤーでLED発光部のやや下側を結び付けます。言葉で書くとややこしいですが、簡単に固定しているだけですね。

位置的にはこの辺です。青と白の線が4本、
手前(下)側に伸びていますよね。
表側はこんな感じです。
向きや位置は現物あわせで調整します。

こうすると、フロントパネルを設置したときに、吸気用の隙間から・・・

こんな風に光って見えます。
VAIOらしい青LEDですね〜

これでOKですね。ばっちりアクセス時に光りますし、しっかりその光も見えます。っていうか角度によっては、モロに目に向かうのでまぶしすぎるぐらいです。下手すると目障りなくらいですね。向きは微調整した方がいいかもしれません。 逆に下側に設置したデータ用ドライブのLEDはやや見難くかったりするんですが・・・(^_^;) 上にも書きましたが、この辺は現物あわせをするのがベターでしょうね。或いはスリットに何か曇りガラス様のアクリルパーツを噛ましたり、R60にほこり対策を施したときのようにスピーカーネットなどをスリットに貼り付けることで光を和らげたりするのも手かもしれません。まあ、ここは気が向いたら再度手を入れることにしましょう。



6.いつものベンチ  (2003.10.16)

例によってベンチマークをやってみます。まずはインターフェースのみが変わった両HDDから。勿論両HDDともにSATAボードに接続し、ここから起動するようにしています。M/BのIDE-Primaryチャネルは空になってます。

HDD 回転 Buffer SeekTme SATA
Read
SATA
Write
SATA
Copy
ATA133
Read
ATA133
Write
ATA133
Copy
6Y120P0 7200rpm 8MB 9.4ms 49,135 52,496 19,070 51,097 48,668 14,465
4R120L0 5400rpm 2MB 12.6ms 35,493 34,419 5,189 35,481 34,770 4,719

インターフェース上は100M⇒150Mと50%増しになっているんですが、やはりHDD内部での転送速度がボトルネックになっているように思えます。「4R120L0」がほとんど変化がないのに対し、バッファ8MB「6Y120P0」の方が特にWriteやCopyで上昇率が高いというのはその現われかと思います。 なぜかReadは下がってますが・・・(^_^;) ・・・ってことで全体のベンチはこんな感じになりました。

★ ★ ★ HDBENCH Ver 3.30 (C)EP82改/かず ★ ★ ★
M/B Name
Processor Pentium4 2491.03MHz[GenuineIntel family F model 2 step 7]
VideoCard Matrox Graphics Millennium G550 AGP
Resolution 1280x1024 (32Bit color)
Memory 1048,028 KByte
OS 5.1 (Build: 2600) Service Pack 1

Adaptec Serial ATA 1205SA Host Controller
Maxtor 6Y120P0 YAR4
Maxtor 4R120L0 RAMB

Primary IDE Channel

Primary IDE Channel
PIONEER DVD-ROM DVD-116R
PIONEER DVD-RW DVR-104

ALL Integer Float MemoryR MemoryW MemoryRW DirectDraw
48,546 56,928 95,075 98,908 46,075 87,952 59
Rectangle Text Ellipse BitBlt Read Write Copy
167,166 7,332 8,394 136 50,592 51,123 19,398

まあ、HDDの部分しか変わっていませんので、数字のアップはこんなもんでしょう。体感的に速くなったかというと・・・ うーん、言われて比べれば分かるかもしれない・・・っていう程度でしょうか?? 意味があるのかと言われると・・・ ベンチ結果が少しだけ上がっているのは間違いないですし、微妙ですねぇ(^^;)
起動時間に関しても、もちろんSATAボードのBIOSを読み込むことになりますので、その分時間が掛かることになります。SATAボード使用前は大体45秒くらいで起動していた(ここでは「デスクトップ画面が描画され、アイコンの砂時計が消え、一番遅いインターネットセキュリティが動作しおわるまで」を「起動」と呼んでいます)んですが、ボードを入れたことにより55秒程度掛かるようになっています。結構イライラする・・・ほどでもないですね。まあ、先々SATA-HDDを導入した場合には(M/Bを交換しない限り)必須デバイスになりますので、先行投資ということにしておきましょう。
あ、最後になりましたが、シャットダウンはもちろん、休止状態やスタンバイ、Gigaのタイマー録画(休止状態からの録画)などには一切問題が出ていませんので加筆しておきます。